フリーゲージトレインとは、軌道幅が異なる新幹線(標準軌 レール間1,435mm)と在来線(狭軌 レール間1,067mm)を乗換なしで直通運転できるよう、車輪の幅を軌道幅に合わせて自動的に変換することができる列車のことを言います。
※軌間変換には、特別な台車(車両)と特別な地上装置(軌間変換装置)が必要となります。
フリーゲージトレインは在来線をそのまま走行できるため、改軌あるいは3線軌化工事が不要であることから、ミニ新幹線に比べ建設コストを大幅に低減することができます。また、在来線をそのまま利用できることから、在来線ネットワーク寸断の問題も生じません。
平成10年に最初の試験車両(1次車両)が開発され、アメリカコロラド州プエブロでの60万キロに及ぶ高速耐久試験、2,000回にわたる軌間変換耐久試験等を経て、平成19年3月に2次車両が完成しました。
2次車両は、平成19年12月から、日豊本線での走行試験を経て、平成23年12月15日から平成25年9月21日までJR予讃線において、耐久性評価に必要なデータを得るための試験走行を実施してきました。
3次車両については、平成26年3月25日に九州旅客鉄道株式会社熊本総合車両所に搬入され、同年4月20日から実用化に向けた試験走行を実施していましたが、同年12月24日に試験走行を休止しました。その後、平成30年8月には、九州新幹線西九州ルートにおけるフリーゲージトレインの導入が断念され、国が関与する開発に進展がありません。
九州新幹線西九州ルート(長崎新幹線)では、「軌間可変電車方式(フリーゲージトレイン)による整備を目指す」とされていましたが、平成30年に正式に断念することが表明されました。
在来線(狭軌1,067mm)の線路を標準軌(1,435mm)に改軌し、またはもう一本レールを敷く(三線軌化)ことで、新幹線との直通運転を可能とするものです。在来線区間では新幹線ほどの高速走行はできませんが(120~130km/h程度)、乗換えが不要となることで乗客の利便性の向上が図られます。在来線のトンネルやプラットホームをそのまま利用するため、車体は在来線の特急程度の大きさとなっています
ミニ新幹線は、既に確立した技術として山形・秋田両新幹線で実用化されています。